
【不登校進行期】子どもが無言の時間…沈黙の背景にある“落ち込み”を理解する【不登校の知恵袋】
新学期の始まりや周囲の変化の中で、「うちの子、最近ほとんどしゃべらない」「家の中がずっと静か」——そんな“沈黙の時間”に不安を感じている保護者の方は少なくありません。
しかし、この沈黙には意味があります。それは、子どもが言葉にならない気持ちと格闘している証でもあります。
本記事では、無言の時間をどう受け止めるか、そしてその背景にある「心理的な落ち込み」への理解と、親としての適切な関わり方について、具体的な知恵とノウハウをお届けします。
登校の再開だけがゴールではないという視点を持ちながら、お子さんの心の回復を第一に考えた関わり方を探っていきましょう。
【不登校進行期とは】
不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。進行期とは、不登校が始まり、心理的な落ち込みが激しくなり、やがてその状態が固定化されるまでの期間のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校進行期の記事一覧はこちら
【サポート団体を利用しましょう】
お子さんにどのように声掛け・対応をすればいいのかは、お子さんや親御さんの性格や状況によって、一人ひとりで異なります。お子さんへの対応は、親だけ(家庭だけ)で抱え込まず、サポート団体を利用するようにしましょう。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。
目次
無言の裏側にあるもの:不登校進行期の子どもの心理状態
この章では、お子さんが沈黙しているときに心の中でどんなことが起きているのか、代表的な心理状態を紹介します。
自己否定感と無力感
- 学校に行けない自分を「ダメな人間」と感じ、強い自己否定感を抱いていることがあります。「なんで自分だけ」と孤独を感じ、無力感に苛まれている場合もあります。これらが言葉を発するエネルギーすら奪ってしまうのです。
罪悪感と孤立感
- 「親に迷惑をかけている」「期待に応えられない」といった罪悪感が、自己肯定感をさらに低下させ、殻に閉じこもらせてしまいます。また、周囲から取り残されたように感じて孤立感が強まっていることもあります。
エネルギーの枯渇
- 不登校の状態に葛藤し、周囲の言葉に傷つき、心身ともに疲れきっていることがあります。話す・動くという行為自体が重荷になっているのです。
防衛機制としての沈黙
- 「どうせわかってもらえない」「言っても無駄」と感じていると、沈黙が自己防衛の手段になります。理解されることをあきらめている状態です。
思考の混乱と整理
- 頭の中に多くの考えや感情が渦巻き、言葉として整理するのが難しくなっている状態です。言葉が出ないのは、考えがまとまっていないからかもしれません。
沈黙を受け止める:保護者ができることと日常の工夫
この章では、子どもの無言の時間にどのように寄り添い、家庭内でどんな工夫ができるかを具体的に解説します。