「発達障害の子どもの進路を考えるために」親子で知っておきたい3つのこと
発達障害児支援などに従事してきた伊藤かおりさんは、「おもに発達障害を持つ子どものために、親が知っておいたほうがよいことがある」と言います。14年間の支援経験から得られた知見を書いていただきました(※写真は伊藤かおりさん)。
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今回は、私が発達障害のある子どもや成人の方と関わってきた経験から、将来、社会に出ることを見据えたうえで、「幼児期、学童期にやっておくとよい、とても大切なこと」について述べたいと思います。
◆相談することに慣れておく
これは心理師(士)の立場として、強く感じることですが、お子さんが小さいうちから誰かに相談するということに慣れておくことが、生涯にわたりとても大切になってくると感じています。
たとえば現在不登校で、とくに困ることもなく家で安全に生活をしているとしても、スクールカウンセラーのカウンセリングは受けておくなど、第三者に相談することに、なるべく小さいうちから抵抗感をなくしておけるとよいと思います。
大人でも困ったことに気づきにくかったり、自分がどんなことに不安感をもっているのか、自身でわからなかったりする場合がよくあります。誰かに相談をすることで心が落ちついたり、問題に対処することで解決ができたりという成功体験を、若いうちから積んでおく。そうすれば何か困ったことや、苦しいことがあっても、「相談すればヒントが得られるんだ」と思えるようになります。
障害者雇用
◆高校進学や就職を見据えた進路選択
子どもが幼少期、学童期のうちから、目の前の課題だけでなく、先の進路を見据えて情報収集をしていったほうがよいと思います。発達障害のある子の進路として、就職の際、障害者雇用を選ぶ方もいます。障害者雇用とは、障害のある方が安定して働き続けることを目的とした制度で、「障害者手帳」(知的な遅れのない発達障害の場合は「精神保健福祉手帳」)を所持している方が対象となります。障害者雇用で就職すると障害の特性や本人の状況に合わせて、職場でさまざまな配慮を受けることができます。