あざや傷あと「見た目問題」から考える自分に合った生き方とは

 「見た目問題」って知っていますか?顔のアザや傷あとなど、「見た目を理由とする差別や偏見などによって生じる問題」のことです。この「見た目問題」の解決に取り組むNPO法人マイフェイス・マイスタイル代表の外川浩子さんにインタビューしました。聞き手となる本紙記者もじつは「見た目問題」の当事者のひとり。差別や偏見のない社会に向けて何が大切なのかをうかがいました(※写真は当事者と外川浩子さん)。

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――「見た目問題」とはなんですか?

 「見た目を理由とする差別や偏見などによって生じる問題」のことです。生まれつき、もしくは事故や病気によって、目立つ症状を顔や体に持つ人たちは、差別や偏見によってさまざまな困難にぶつかります。「気持ち悪い」「化け物」と心ない言葉で傷つけられ、いじめのターゲットになりやすいなどの問題を抱えています。

 NPO法人マイフェイス・マイスタイルでは、見た目に症状を持つ人たちがぶつかるさまざまな困難を「見た目問題」と名づけ、見た目に症状を持つ人たちを「見た目問題当事者」と呼んでいます。ですから、一般に「外見にコンプレックスがある人」というよりは、もうすこし範囲を狭めて、「身体に具体的な症状がある人」が、私たちの活動対象です。

――「見た目問題」に苦しんでいる人は、どんなことに悩んでいるのですか。

 見た目問題とひと口にいっても、生まれつきのアザ、脱毛、麻痺、傷あと、体の一部を失った人など、さまざまなかたちがあります。しかし「なんらかの症状が隠しにくい部分にあることで、人から奇異の目で見られたり排除されたりする」ということは、共通している問題です。

 顔だけではなく、腕や足、体のさまざまな部分に症状を持っている人たちもたくさんいます。服で隠れる場所に症状がある人の場合、学校のプール授業や温泉など、自分の全身を見せるシーンが難しいこともあります。たとえば、脱毛症でふだんはカツラを使っている人は、お風呂でほかの人に症状を見られることを恐れて修学旅行へ行けないことも。「見える場所だから」「隠れる部分にあるから」という点だけでは、つらさや問題の深さは測れません。

「見た目問題」と不登校の関係

――「見た目問題」当事者で不登校を経験している人はいるのでしょうか?

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