萩尾望都さんに聞く不登校 あなたの感動を羅針盤に

 今号のインタビューは少女マンガの第一人者・萩尾望都さん。萩尾さんには、ご自身の経験について、不登校についてのお考えをうかがった。

――最初の質問からなんなのですが、子どものころ手洗いが止まらなかったという話を聞きましたが本当ですか?

 そうなんです。小学校の高学年ぐらいから中学1年生にかけてぐらいだったと思います。いくら洗っても手が汚れているような感じがして、休み時間のたびに手を洗っていました。自分でも「おかしいなあ」とは思っていましたが、ベトベトしたものが手にくっついているような感覚があったんです。

――萩尾さんの出身中学校は、数多くのマンガ家を輩出した学校ですが、もしかすると同じマンガ好きの人に出会えたことで、手洗いが収まったということはありますか?

 それはあるかもしれませんね! こういうものは収まってしまうと何も考えないんですが、同じマンガ好きに出会えたことは大きかったかもしれません。

©萩尾望都

“私の喪失を止めるものに”

――『一瞬と永遠と』(2011年刊)では、萩尾さんが17歳のとき手塚治虫さんの『新撰組』(63年連載)を読んで「私の喪失を止めるものにめぐりあった」と感動し、マンガ家を目指されと書いています。萩尾さんが「喪失」していた中身はなんだったのでしょうか?

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