【PTA特集】ほかの子を見るのがつらい 保護者アンケートに見るホンネ③
「不登校オンライン」では、子どもの不登校・行き渋りを経験している保護者を対象に、PTAに関するアンケート調査を実施しました。
今回は、回答者から寄せられた声の中から、「不登校・行き渋りに関連して、PTAについて困っていること・悩んでいること、疑問に思うこと」などをご紹介します。
役員選出や担当決めに関することや、「自分の子どもが学校へ行けていないのに」という思いが、とくに多く寄せられました。
前回までの記事はこちら↓
【PTA特集】不登校中も6割が参加 「不登校とPTA」についてのアンケート調査結果
【PTA特集】理解されない、もう頑張れない……保護者アンケートに見るホンネ①
【PTA特集】 どうせなら使い倒して脱・孤独! 保護者アンケートに見るホンネ②
目次
1. 【ショート体験談】悩み、追い詰められた果ての決断
はじめに、今回寄せられた困りごと、悩み、疑問のほぼすべてを経験し、大きな決断をされた方の声をご紹介します。「時間がなくて全部は読めない!」という方におすすめです。
※以下、各コメント末尾の( )内は回答者のペンネーム・お子さんの現在・回答者お立場。
1年生の時に、PTAが任意加入だという説明はなく当然のようにPTAに加入させられました。
その後は、卒業までに1回はPTAの委員をしなければならないとのことで、低学年の時に何度かクラス委員に手を挙げましたが、希望者が多くてクラス委員にはなりませんでした。
高学年になり、子どもが不登校になったときには、希望者がおらず、まだやってない人がやるというで、私がやらざるを得ない状況になりました。
子どもが不登校になり、私も精神的に追い詰められている時でした。
学校に行けずに苦しんでいる子どものそばで、私が学校に行っている子のために作業をするということに、私の気持ちが複雑になり過ぎて耐えられないと思ったので、PTAの委員はできないと言いましたが、受け入れてもらえませんでした
インターネットで調べて、PTAを退会できることを初めて知り、結局、PTAを退会することで解決しました。
子どもが不登校になると、親も精神的に余裕がなくなります。
そのような状況でも必ずやらないといけないという雰囲気がとても苦しかったです。
(いとさん・小学生・母親)
2. 困りごと、悩み、疑問別の思いやエピソード
一つひとつは短い語りです。しかし、それぞれに重みがあります。
あなたなら、どんな声をかけられたいですか? そして、どんな声をかけますか?
①不登校への配慮不足、無関心
子どもが在籍している学校の不登校生徒に対する対応は、放置・無関心なので、PTAが不登校生徒について関心を寄せたり、その数を把握しているわけがない。(marochanさん・中学生・母親)
学校もPTAも、不登校や行き渋りに関して他人ごとのように感じる。(雷鳥さん・小学生・母親)
PTA活動において不登校の子どものことは基本的に話題にすらのぼらないので、悲しくなる。(しまともさん・中学生・母親)
学校もそうですが、PTAも学校に来る子ども中心に活動をしています。これだけ不登校が増えているのだから、不登校の親や子どもに対して事業ができないのかと思う。(かめさん・中学生・母親)
PTA主催の「不登校の親の会」や「一般保護者向けへの不登校の勉強会」などがあったらよいなと思う。(とうやパンさん・中学生・母親)
②役員選出、担当決め
役員の立候補者が足りず、子どもが不登校でも役員未経験であれば無理矢理PTA役員にされる。(いぶきさん・小学生・母親)
子どもが行っていないにもかかわらず、PTAをやらない理由を用紙に書かないといけないしんどさ。
家にも本部役員の勧誘が来ており、対応しなければならず、子どものことを知らない人に話さなければならないのが苦痛。またそれを子どもに見せたり聞かせたくないのに配慮が感じられないところ。(だるたまさん・小学生・母親)
次期PTA選出時期に、子どもの不登校を申告しないといけないこと。(たかともさん・中学生・母親)
活動はできるが、部長などの三役はしっかり最後までできるか自信がなく、会長に相談しても、あまり意味がなかった。本当に困っているときにも役員はやらなきゃいけないことが疑問。(のりあさま・小学生・母親)
子どもが不登校の中、PTAの役員を引き受けた場合、負担が大きい。PTAの「仕事」は家でできることと言われることがあるが、それは不登校に関係なく皆同じなのではと思う。(ぼーちゃんさん・支援学校高等部生・母親)
卒業までには必ず一人一役と決められていて、立候補がいない場合はくじ引きで強制的に決められていました。学校との関係やほかの保護者との関係が苦痛に感じている不登校の子の親にとっては負担と苦痛以外の何ものでもないのでは。(ぺこさん・高校卒業済み・母親)
③自分の子どもが行かないのに……
今後ほとんど学校に通わなくなったとしたら、どこまで本気で取り組めるかわからない。例えば卒業対策など。ほかの子のためとは思うが、自身の子どもが関わっていないと、虚しく感じるかもしれない。(ゆゆさん・小学生・母親)
こんな状況なのに、なぜ役員をしなきゃいけないのだろうと、この1年の間で何度も思うことがあります。役員が決まってから不登校になったので、どうしようもありませんが。(ラムネさん・小学生・母親)
PTA活動自体は楽しかったのですが、子どもの出ない運動会の日や発表会の日にも当番があり、わが子のいない行事はとても悲しくなった記憶があります。(ひよこのままさん・通信制高校生・母親)
自分の子どもの出ない行事に参加しなければいけない時はとてもつらい気持ちになるが、一生懸命抑えて何でもない顔をする。しないと惨めな気持ちになる。先生たちから「何でいるの?」というような顔をされることもつらい。PTAを免除しろとは言わないが、配慮してほしい。(ボタンさん・小学生・母親)
小学校のPTAはまだ解散しておらず、学校に行けない子どもを家に置いて、旗当番などを強制されるのが負担です。元気に登校するほかの子どもを見守るのは正直つらい。強制しないでほしい。さっさと解散してほしい。(みかんさん・中学生・母親)
PTA活動で学校に集まるとき、ほかの子たちが元気に学校に通っている姿を見て苦しかった。(knさん・中学生・母親)
④任意加入、退会
参加してもしなくても会費はとられています。辞めるのにとても苦労した話をほかの方からきいており、面倒くさいのでそのままにしています。(しんのすけさん・中学生・母親)
うちは参加が任意という名の義務なので、そもそも疑問。PTAをやってみて、子どもや家庭の犠牲が多過ぎて、誰のためなのか分からなかった。負担が少ない形、できる人ができるときだけなどになればいいと思う。できる人がいなければやらないというような形がいいと思う。(クローバーさま・小学生・母親)
入会はいつしたことになっているのか? やめたいと教頭に申し出たが曖昧にされた。前例がないとか。(カメきちさん・小学生・母親)
子どもが完全不登校の中、仮に役員に指名されても活動することは負担が大きく、難しいので、退会したい。(biscuitさん・中学生・母親)
⑤自分の子どもとの関わり
執行部会、理事会、広報誌をつくる時間を、もっと子どもに向けられる時間にできるのでは、と感じます。(ラムネさん・小学生・母親)
学校での活動が前提になるので、母子分離不安や外出不安のときは無理だと思う。子が登校してない場合は役員は免除されるが、役員をしているときに不登校や行き渋りが始まると本当に大変だと感じる。(ぴのさん・小学生・母親)
家で学校の話をするのを嫌がるぐらいなので、私がPTA活動しているのは気に入らないよう。(たぬさん・小学生・母親)
⑥人間関係
不登校になり、母子分離不安になり、家から出ていくのが困難になったが、役員になっていたら集まりがある。でも行けないからお電話で謝る。LINEグループを組んでくれて情報はいただけるが、「やらない」が認められないのがつらい。子どもが不登校なのでと、みなさんの前で言ったところで、ほかのPTAの方々はどんな言葉を返したらいいか分からず気まずくなる。(カメきちさん・小学生・母親)
噂を広められることが困ったこと。その後不登校当時の学校から今の学校に転校したのだが、その転校の際も、担任から正式にクラスのみなに報告する前に、勝手に内部で転校の話を広められた。そのため、完全拒絶せざるを得なかった。(すいかさん・小学生・母親)
以前、知人が不登校の親のためのグループをつくろうとしたらPTAから拒否されたそうです。(つばささん・中学生・母親)
⑦精神的負担が大きい
シングルマザー、フルタイム、不登校児で、学校行事を聞くのもつらいのに決して免除はされない。(マツコさん・中学生・母親)
学校に出向くことも難しい、PTAの参加まで考えることができない。(Rさん・小学生・母親)
身体的、精神的、金銭的、総合的にPTAは負担でしかない。噂の巣窟。(さとママさん・通信制高校生・母親)
親も精神的につらい思いをしているので、PTA活動は免除してもらいたい。(HIKARIさん・通信制高校生・母親)
⑧期待していない
PTAが不登校に取り組んでいるわけではないので、特に困ることはありません。(ごくらくさん・小学生・母親)
元々PTAに期待していないので、特にない。(かずちゃんさん・中卒後自宅学習中・父親)
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アンケート結果最終回は、「不登校・行き渋り関連に限定せず、PTAについて思うこと」をご紹介します!
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