「それが分かれば苦労しない」 不登校だった俺と高校教師の攻防③

#不登校#行き渋り#担任#高校教師

不登校の高校時代、古川寛太さんは何人もの教師たちと向き合います。今回は、1年生と2年生で古川さんのクラス担任だった、倫理教師が登場します。

破天荒な経歴と、軽妙なトークで人気の教師。しかし、古川さんと2人きりで向き合うとき、そんな姿は影をひそめ……

連載「前略、トンネルの底から」第20回・写真は古川寛太さん)

著者

古川寛太

担任は元パチプロの倫理教師

2年生と3年生の担任は教員で唯一の「倫理」の教師だった。大学で哲学を専攻していたらしい。

見た目はそこらの居酒屋にでもいそうなおじさんで、ダルそうに話す様は哲学を扱うような賢さを感じない。
それでも話がおもしろいと学年問わず人気があった。
演劇部の顧問でもあったため、自作のシナリオを書いては生徒に演じさせていた。

彼自身も高校時代、学校を放り出して川辺で本を読んでいるタイプで、高校卒業後に就職せず、パチプロを経て、大学に入り哲学を学んだという。
今では奥さんに息子娘を抱える大黒柱。

こんな「オモシロ中年」と俺は2年弱、社会科準備室でひたすら「まともな話」をしていた。

無味無臭な「オモシロ中年」

授業中はあんなにふざけて概念論を語る大人が、2人きりの場でまったくボケない。淡々と出席日数や卒業後について説き、

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