
激怒する父。それでも俺はスマホを手放さなかった お金とスマホと俺③
#不登校#行き渋り#スマホ#高校生
高校入学とともにスマホデビューするも、不登校でスマホ没収の憂き目にあった古川寛太さん。
さらに、もともと少額だった小遣いも渡されなくなり、ストレスをやわらげるための甘いものも、自由に手に入れられなくなります。
スマホと2000円の小遣い。一見すると小さなこの喪失が、古川さんを追い詰めていきます。
(連載「前略、トンネルの底から」第27回・写真は古川寛太さん)
負のループ
お金以上に、スマホがないことに俺は不全感を持っていた。
楽しみなんてほかになかった。
とはいえ、スマホがなければお昼のワイドショーをたれ流し、あればあったでただアプリのナンプレをして時間が過ぎるのを待つ。
それくらいしか選択肢がない日々が続いた。
前の晩に父に預けたスマホを、朝4時になって急に触りたくなった日がある。
6時までにログインしないともらえないゲームアイテムがあるという、高校生らしい理由だった。
両親が寝静まったのを確認してから寝室に忍び込み、枕の下にあったスマホを盗った。
幸い、父は気づいていない。
自室に戻り、少しいじって戻そうと暗い部屋で操作していると、
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