「不登校の子が心の扉を閉ざす理由は」フリースクール代表が語る子どもの感情の寄り添い方
#不登校#行き渋り
「見学にやってくる子のなかには小一時間、無表情のまますごす子もすくなくない」と、フリースクールを運営する土橋優平さんは語ります。子どもが心の扉を閉ざしてしまう理由、そして、幸せになるために子どもの情緒をめぐり、大人はどう味方してあげればよいのか、土橋さんが解説します(連載「出張版お母さんのほけんしつ」第37回・写真は土橋優平さん)。
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先日、外国におすまいの方の話を聞くことがありました。その方は「私たちの国では、子どもは2本の足で立つと言われています。1つは知識、もう1つは情緒です。日本の教育では、知識の面ばかりに目が行きがちではないでしょうか」とおっしゃっていました。その話を聞いて以来、私は「教育とはなんなのだろうか」という問いと向き合いながら生活しています。
「情緒」を辞書で調べると「物事に触れて呼び起こされるさまざまで微妙な感情や味わい・雰囲気」、「一時的に発生し消滅する、激しい感情の動き・高まり」とあります。私の頭のなかに真っ先に浮かんだのは、無表情になった不登校の子どもたちでした。フリースクールを運営していると、何組もの親子が相談や見学のため毎月たずねて来られます。子どものなかには、無表情のまま、小一時間すごす子もすくなくありません。見学の時間は難しい話をするわけでも勉強の話をするわけでもありません。好きなゲームやアニメは何か、好きなことやハマっていることは何かといったことを聞きます。「そもそも好きなことがない」と言う子もいれば、言葉は返ってきてもそこに感情が乗ってこないこともあります。これは初めて会う相手に対する緊張感とは別の、俗に言う無気力状態なのだと思います。数カ月、数年という時間を経て、子どもたちは心の扉を閉ざしてしまったのです。
【連載】出張版 お母さんのほけんしつ
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