見たかったのは息子の笑顔。それを奪っていたのは私のこんな対応でした
「息子が不登校したのは、あの友だちのせいじゃないか」。そんなふうに息子の友だち「K君」を見ていた後藤誠子さん。しかしそのK君こそ、後藤さん以上に息子を支えていたのでした。不登校ママ・後藤誠子さんが語る、失敗と再生の歴史(連載「不登校は幸せへの道」第7回)。※画像はイメージです
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長男による次男への暴力は、長男からのSOSだったのだ。今まで次男ばかり見ていた私は、初めて長男を助けなければと強く思った。私がしっかりしなければ誰も助けることはできない。悲しんだりイライラしたり、その思いを子どもたちにぶつけるのはもうやめよう。そう思うことで私自身の気持ちもすこしだけ落ち着いた。
目線が変わったとでも言えばよいだろうか。それまでも見えていたはずなのに、見ようとしていなかった次男のつらそうなようすにやっと気がついた。やせ細って表情のない能面のような顔。私は何をやっていたのだ。子どもたちの笑っている顔が見たかったんじゃないのか。学校、学校と騒ぐのはもうやめた。騒いでも何もよいことはないと、やっとわかったから。それがよかったのか、次男のようすもすこしずつ変わってきた。
次男には中学から仲よくしている友だちが1人いた。K君だ。部活もちがう、住んでいる地区もちがう、服装もチャラチャラしていて坊主頭の次男とは見た目もちがう。
【連載】不登校は幸せへの道
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