大人の6割は本を読まない!? 不登校の子どもの親の「心に染みる」おすすめ3冊!

#不登校#行き渋り

「1か月に1冊も本を読まない人が6割超」。
2024年9月17日、メディアが一斉にこのニュースを報じました。みなさんはどう受け止められましたか?
「いやいや、私は5冊は読んでるよ」という人もいるかもしれません。一方で、「最近は子どものことで精一杯で……」あるいは、「忙しくて読書は難しいけど、不登校の情報はネットでしっかりチェックしてるよ!」という人もいるでしょう。
「不登校オンライン」は、「読書離れ加速中!!」のニュースでは終わりません。さらに一歩踏み込んで、不登校の子どもの保護者の「久しぶりの読書」を応援します!

編集部厳選! 不登校の子どもの保護者が久しぶりに読書するならこの3冊

保護者世代はとにかく忙しい。
ストレスフルな毎日に、ほっと一息つける本をご紹介します。
今回は、あえて「不登校」や「子どもの心理」について直接扱った本は取り上げていません。それは、いつもがんばっている保護者のみなさんに、「勉強」のためではない本、ご自分の心をほぐすための本を読んでいただきたいからです。
「最近全然本を読んでいない」という方にも読みやすい、絵本、児童文学、エッセイを選びました。

①レオ・レオニ『フレデリック』(訳:谷川俊太郎、出版社:好学社)

言わずと知れた、レオ・レオニの不朽の名作絵本。
ご自身が子どものころ、あるいはお子さんがまだ小さかったころに一緒に読んだことがあるかしれません。

主人公のフレデリックは、ちょっとかわったねずみです。

「フレデリック、どうして きみは はたらかないの?」
「こう見えたって、はたらいているよ。」

あたたかい季節に、食べものを集めてはたらく仲間たち。
そのかたわらで、フレデリックは「ぼんやり」しているように見えます。

やがてさむい季節がやってきて……


「こう見えたって、いろいろ考えているよ」。
学校へ行かない間も、子どもの心は育っている。
こうして絵本を読んでいる間も、親として自分はよくやっている。

じんわりとしたあたたかさが心に広がって、そっと本を閉じたら、カチカチだったつらい思いが少しだけ溶けているかもしれません、

〈レオ・レオニズフレンズ公式サイト〉

②ミヒャエル・エンデ『モモ』(訳:大島かおり、出版社:岩波書店)

「時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語」。
日本語訳には、この副題が付けられています。
読んだことはなくても、「学校の図書館で背表紙だけは見たことがあるような……」という人も、おおぜいいるでしょう。

大都会のはずれの遺跡の廃墟に、たったひとりで住みついた女の子モモ。
自分の歳も知らないどころか、数を表す言葉をほとんど知りません。

モモには、とても得意なこと、それも、誰よりも上手にできたことがあります。
それは、「あいての話を聞くこと」です。

モモは質問もアドバイスもしません。
それなのに、モモに話を聞いてもらう人は、話している間に、これまで考えもしなかったことが心に自然に浮かび上がってくるのです。
近所の人たちは、困っている人がいればこう言います。
「モモのところへ行ってごらん!」

そんなモモが、「計算」でみんなを騙して時間を奪っていく、「灰色の男たち」と闘うことに……


児童文学と侮ることなかれ。1973年に発表されて以来、現代社会に問いをなげかける作品として、世界中で愛読されています。そう、『モモ』に描かれている「現代」は、実に50年以上も前のことなのです。
半世紀経った今、わたしたちの世界のせわしなさは、より加速しているかもしれません。

ただただ黙って、あなたが話を聞いてあげたい人はいますか?
ただただ黙って、あなたの話を聞いてくれる人はいますか?
「モモのところへ行ってごらん!」

〈岩波書店ウェブサイト〉

③林原めぐみ『林原めぐみのぜんぶキャラから教わった 今を生き抜く力』(出版社:KADOKAWA)

デビュー以来、たくさんのアニメ作品で、個性あふれるさまざまなキャラクターを演じてきた声優・林原めぐみさん。声優に詳しくない人でも、一度は声を聞いたことがあるはず。

意味のない役なんてない。
駆け出しのころに演じた名もないキャラたちの、たった一言のセリフから、「言葉」が「心」であることを叩き込まれた80年代。

感情を知らない無口な少女・綾波レイ(『新世紀エヴァンゲリオン』)に「ふり」をしないで生きることを学んだ90年代。

レイを演じるなかで「言葉と思いが違う」ことに敏感になり、イタコである恐山アンナ(『シャーマンキング』)に共感した2000年代。

コロシアムのシーンのアフレコ中に、レベッカ(『ONE PEACE』)への罵詈雑言を浴びながら、「大量なネガティブな言葉は、自分に向けられたものではなくても苦しい」と気づいた2010年代。

代表的な38作品の40人を超えるキャラの生きざまと、林原さんの人生がクロスする。
「キャラクターとともに生きる」とは……


「アニメ好きというだけで、白い目で見られた時代もありました(……)好きなものを好きと言えない…。何それ? だけれど、事実、そんな時代があったのです」。
あとがきに書かれたこの言葉に、心がちょっぴり疼きます。

懐かしいあのキャラと、再び出逢ってみませんか?
あなたの知らないキャラとも、パートナーや子どもがすでに出逢っているかもしれません。

〈KADOKAWAオフィシャルサイト〉

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秋の夜長、子どものためだけではなく、ぜひ親の心を癒やすための読書を。

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