【文科省がパブコメ募集開始】子どもの自殺背景調査指針が11年ぶりに改訂へ

#不登校#行き渋り

文部科学省は、子どもの自殺が発生した際に行われる「背景調査」の指針について、11年ぶりの見直し案を公表し、パブリックコメントの受付を開始しました。

改定案に対する意見募集は2025年11月28日まで受け付けられます。

 

伊藤真依

改訂の背景ーー
自殺調査の精度と公平性を担保するために

現在の指針は2014年に作られたもので、
自殺や自殺の疑いがあるすべてのケースについて、まず学校が「基本調査」と呼ばれる事実確認を行う仕組みになっています。

そのうえで、

・学校生活との関わりが考えられるとき
・遺族が詳しい調査を望むとき

には、外部の専門家も参加する「詳細調査」に進む流れが定められています。
しかし、策定から10年以上が経過するなかで、

・調査が長期化する
・自治体や学校ごとに調査内容や質の差が発生している
・詳細調査へ進む割合が約1割にとどまっている

などの課題が浮き彫りになり、今回の改訂に至りました。


改訂案では、基本調査の統一フォーマット新設や、基本調査・詳細調査それぞれで確認すべき項目の整理に加え、遺族が詳細調査を希望した場合に確実に移行できるよう「意向確認書」を導入するなど、調査の質と透明性を高めるための工夫が盛り込まれています。

さらに、学校や自治体が平時から整えておくべき体制、また背景調査が「いじめの重大事態調査」に切り替わる際の留意点・対応方法なども追加されています。

当事者である子どもたちの意見を集めるための工夫も

パブリックコメントの専用ページでは、改訂案全文に加えて、小中高生にも理解しやすい 子ども向けの概要資料が公開されており、章ごとのポイントが簡潔にまとめられています。

文部科学省の担当者は不登校オンラインの取材に対し、「お子さん本人と保護者では“感じ方”に一定の違いが出る可能性がある。

両方の立場からの意見が必要であるため、子ども向け資料を整備し、子ども・若者の意見も反映しやすくしたいという狙いがある。」と話しています。

パブリックコメントに関するリンク一覧

▼パブリックコメント専用ページ
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185001459&Mode=0

▼子供の自殺が起きたときの背景調査指針改訂の概要(案)
https://www.mext.go.jp/content/20251015-mxt_jidou02-000044029_003.pdf?utm_source=chatgpt.com

▼【こども向け版】子供の自殺が起きたときの背景調査指針改訂の概要(案)  
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000301976

▼パブリックコメントの提出はこちらから
https://forms.office.com/pages/responsepage.aspx?id=sBBYVMs2kEKJJkjbwPnpL4OZRuwye_hKtRjhpP12T3VUOThIV1FWMklCVkFGVFQ4MUpGTkxWNEdTSS4u&route=shorturl

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