不登校家庭向け「介護休業活用ツール」開発。5人に1人が「不登校離職」に直面

#不登校#行き渋り

小中学校の不登校児童生徒数が35万人を超え12年連続で増加する中、子どもの不登校をきっかけに保護者が離職を余儀なくされる「不登校離職」の解決を目指し、不登校家庭向けの「介護休業活用ツール」が開発されました。

不登校ジャーナリストの石井しこう氏、フリースクールBranch代表の中里祐次氏、キズキ共育塾による「不登校のための介護休業活用ツールプロジェクト」が開発を手がけました。

※本記事は、Yahoo!ニュースエキスパートの記事を転載したものです。

 

伊藤真依

不登校親の5人に1人が離職

昨今の不登校の状況で特筆すべきは「小学生不登校」の増加です。過去10年間で小学生の不登校の数は5倍に跳ね上がっています。学年別でみると「小学校1年生(1,332人→8,738人/6.5倍)」「小学校2年生(2,099人→1万4,125人/6.7倍)」。日中の見守りが不可欠な低学年での不登校の増加が顕著です。

一方で、厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2026年7月)によれば、18歳未満の子どもを持つ母親の就業率が81.2%と過去最高を記録。不登校の子どものサポートと仕事の両立に悩む保護者が増加しています。

民間団体の調査(※1)によると、朝になってみないと子どもの状態が読めないことや、自宅での常時見守りの必要性から、不登校の保護者の約5人に1人が「離職を余儀なくされた」という実態が浮き彫りになりました。
(※1:特定非営利活動法人キーデザイン「「不登校離職」5人に1人の母親が退職を経験。不登校はもう子どもだけの問題ではない。」)

厚労省「不登校の子どもも介護休業の対象になり得る」

不登校の子どものサポートと仕事の両立に悩む保護者が増える中、注目したいのが「介護休業」です。高齢家族などをサポートするための印象が強い介護休業ですが、実は不登校家庭でも活用できる場合があります。

同プロジェクトが厚生労働省に見解を求めたところ、「介護休業制度の対象となる家族には子どもや孫も含まれ、不登校の子どもについてもその状態によっては育児・介護休業法における対象に該当する場合がある」との回答がありました。

参議院厚生労働委員会では、上野厚労大臣が2026年6月9日、「不登校を契機に保護者が望まない離職に追い込まれることがあるのは大きな問題」と答弁しています。

また、文部科学省も、子どもの不登校に伴い保護者が休職や離職に追い込まれる状況を「深刻に受け止めている」として同プロジェクトの取材に答えています。

「診断書必須」「高齢者向け」…根強い誤解が利用の壁に

介護休業をめぐっては、「親や祖父母にしか使えない」「診断書がなければ開始できない」「1回しか使えない」「アルバイトやパートは使えない」といった誤解が根強く、活用の障壁になっているといいます。

不登校と介護休業「よくある誤解」(出典:不登校のための介護休業活用ツールプロジェクト)

さらに、介護休業の活用におけるもう一つのハードルとして、取得条件である「2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態」に不登校の子どもが該当するのか、当事者が判断しにくいという課題もありました。

今回開発されたツールでは、不登校の専門家や社労士、精神科医などが監修を行い、不登校家庭の実態に合わせた「例示」もあわせて確認できるようになっています。

これによって、不登校の保護者が、自ら制度の対象になるかを判断しやすくなりました。

オンラインフォームで申請書類を自動作成

同ツールはオンラインフォームに必要事項を入力するだけで、法律に準拠した介護休業の申請書や勤務先への説明書がPDFで自動作成される仕組みです。

医師の診断書に代わる第三者申立書のひな形も用意されています。介護休業の申請において医師の診断書は必須ではありません。しかし、勤務先が検討・判断する際の参考資料として活用できるよう、「要介護状態に関する第三者による申立書」もツール上から入手できるようになっています。

▼「不登校のための介護休業活用ツール」特設ページURL
https://futoko-online.jp/futoko-kyugyo/

▼「不登校のための介護休業活用ツール」URL(LINEが開きます)
https://line.me/R/ti/p/@288wqrgx

※本記事は、Yahoo!ニュースエキスパートの記事を転載したものです。

不登校のための介護休業活用ツールについてのお問い合わせは、お問い合わせ窓口からご連絡ください。

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