いじめ問題を取材して20年 報道から見たいじめ調査の問題点

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 今回は、日本テレビ報道キャスターの岸田雪子さんのインタビューを掲載する。岸田さんは報道キャスターを務めるかたわら、いじめなどの教育問題を長年取材し続けている。6月に出版した新著のほか、いじめを取り巻く環境の変化などについて、お話をうかがった。
 

――著書『いじめで死なせない~子どもの命を救う大人の気づきと言葉』を出版するいきさつからお聞かせください。

 いじめについては20年以上取材を続けていますが、過去の事例から知識や教訓として積み重ねるべきものが社会全体で共有されていないという危機感をずっと持っていました。

 私はテレビ一筋、報道一筋の人間です。いじめ問題もテレビを通じて伝えてきたつもりですが、より多くの人と知識を共有するためには、書籍化というのもひとつの手段ではないかと思ったのがきっかけです。

 「死なせない」というタイトルにしたのも、いじめで子どもが死なずにすむ社会を大人はどうしたらつくれるのか、そこが問われているとの思いからです。ですので、子どもに「死なないで」と伝えるのではなく、あくまでこの本で訴えたい相手は大人なんです。

――この20年間、いじめを取り巻く環境で変化を感じるところはありますか?

 ふたつあって、ひとつは「手段」です。

 子どもの多くがSNSを使うようになり、「LINE外し」のように、仲間外れの手段とされてしまうことも増えました。ネットいじめは、加害意識が低いままに参加してしまう子も多いので、同調圧力という点については、インターネットがない時代と比べて強まっていると思います。

 もうひとつは「家庭」です。

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