子どもに「将来の話」をする前に知っておいてほしいこと
不登校の子どもに切り出しにくい話題、それは「将来の話」。「高校どうするの?」「そろそろバイトでもしたら?」など、言われた子どもの機嫌が悪くなってしまうこともよくあります。将来の話をするとき、どんなことに気をつければいいのでしょうか。自らも不登校経験者で現在は支援員の古豊慶彦さんが「ケンカにならない話し方」を教えてくれました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第8回)。※画像はイメージです
学校へ行けずに家ですごす子どもに対して、「これからの話」(つまり将来の話)をすることは、かんたんなことではありません。これからの話をしようとすると、子どもが不機嫌になったり、自室に戻ってしまうということも、めずらしくありません。
前提として理解しておいてほしいのは、学校へ行っていない子どもにとって、これからの話をされるのは、キツイことだということです。なぜキツイのかと言えば、自分がなじめなかったり、理不尽な攻撃を受けたりした学校という場所に、「結局、戻るのか戻らないのか」という話がほとんどだからです。
たとえば中学生の子どもに「これからの話」をする場合、「高校はどうするか」、「転校する道もある」などの提案をしたりするわけですから、周囲の大人は「今までの学校へ戻れ、という話ではないんだよ」と思っているかもしれません。しかし、苦しんでいる子どもにとっては、別の学校とは言っても、かつて自分が苦しんだ学校の印象がぬぐい切れないわけです。そんなにかんたんに割り切れません。また、全日制ではなく、通信制を紹介する場合もあると思います。毎日通学がない通信制なら子どもにとってハードルが低く、納得しやすいのではないか、と。
しかし子どもからすれば、「全日制よりはラクな通信制はどう?」と聞かれれば、自分がふつうに学校へ通うことを親があきらめたように感じることもあります。
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