不登校の高校生がひとり旅で気づいた「人との関わりが減ると起こること」
#不登校#行き渋り
不登校だった高校時代、古川寛太さんは一度だけひとり旅をしました。旅先は、あこがれの聖地・ZOZOマリンスタジアム。そこでの経験は、古川さんに大きな発見をもたらします。不登校旅行記、完結編!(連載「前略、トンネルの底から」第17回・写真は古川寛太さん)
【ここまでのおさらい】
不登校の高校時代に唯一ハマった「最初で最後の趣味」がもたらした「あの夏の決断」
「本当に実在するんだな」 不登校高校生にとっての憧れの地は、家や学校なんかより身近な世界だった
古川寛太(ふるかわ・かんた)
2000年生まれ。高校3年間不登校を経験した。不登校を経由した人間の現在地に興味がありnoteにて「あれこれありましたが、」を主宰している。
相手チームの先制から試合は始まる。
マリーンズは序盤、あまりいいところがなかったが、普段観るものと同じルーティンで勝負に挑む選手達を見ると、なにか「答え合わせ」をしているような感覚になった。家にこもっている時には久しく味わえなかった感覚である。
試合は中盤、大きく動いた。
マリーンズ先発の酒居(現・楽天)がボークによって追加点を許した。「ボーク」とは、簡単に説明すると野球における反則行為のことである。プロでは滅多に見られないプレイに、場内はこの日最大のどよめきが起こった。
自分の頭の中で完結。それは、なんだか寂しいこと
即座に目の前に座る男性の野球講座が始まったのを見て、このスタジアムにいる何組のペアが、この手の講座を開いたのだろうかとぼんやり思った。
当然、俺には解説する相手なんていなかったし、頭の中でルールを反芻(はんすう)するだけで終わってしまうのは、なんだか寂しいことだなと感じた。