「息子たちの不登校はギフト」出世コースも諦めて感じた豊かさ
#不登校#行き渋り#不登校の親
今回は、2人のお子さんが不登校をしているという、むらきちさんにお話をうかがった。不登校について、父親としてどう向き合ってきたのか。率直な本音をうかがった。
* * *
――お子さんが不登校したいきさつは?
長男が学校へ行かなくなったのは小学4年生の12月ごろでした。きっかけとしては、宿題が苦痛だったことが大きかった。もともと漢字の書き取りが大好きな子だったんですが「とめ、はね、はらい」に厳しい先生が担任になってからというもの、何度も何度もやり直しさせられる。長男がその理由を聞いても先生は答えてくれないことも納得できなかったんでしょうね。
また「落ち着きのなさ」という特性もあったせいか、長男の席はいつも教卓の横でした。長男にとって非常に屈辱的だったと思います。そうした先生のやり方や学校システムに対する不満や疑問がずっと蓄積していたんだろうと思います。
――その後、お子さんから「学校へ行きたくない」と?
いえ、その一言が長男はなかなか言い出せなかったんです。「足が痛い」「お腹が痛い」などシグナルは出していました。なにより元気がなくなり、顔も青白くなっていく。4年生の授業参観のときのことを今でも覚えているんですが、授業に対しても消極的で楽しそうじゃないことが手に取るようにわかる。
もしかしたら「学校へ行きたくないなんて言ってはいけない」という思いが長男のなかにあったのかもしれません。「行きたくない」という学校に対する「NO」をなかなか言えない長男をどう支えるか。じつのところ、そのほうがたいへんでした。