親が「休んでいい」と言ってもムリして登校する子の本音

 不登校気味の子のなかには、親が「ムリしてまで行かなくても…」と伝えているにも関わらず、「がんばって学校へ行こうとする子」もいます。そうした子たちがムリしてまで登校する背景にはどんな思いがあるのでしょうか。自らも不登校経験者で、現在は支援員の古豊慶彦さんが教えてくれました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第10回)。※画像はイメージです

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 私には中学・高校での不登校経験があります。ときどきその経験を話してほしいと言われることがありますが、私自身は不登校の理由をはっきりと「これです」と言うことが今もできません。私のなかでは「学校という場所に合わなかった」という表現が一番しっくりきています。そのような経験からか、不登校支援に関わるようになったころ、私は「学校は命を懸けてまで行くところではないし、学校以外の場所で育つこともできるから、ムリして行かなくてもいい」という考えで活動していました。今でもその思いは変わりません。

 しかしこの仕事を続けていくなかで、一部の子どもは「こんなにも学校へ行くことを求めているのか」と思わされる事例にたくさん出会ってきました。そのなかで私は「ムリして学校へ行かなくてもいい」という考えとともに、「通いたいと思っている人がムリなく通える学校になっていくために何ができるか」と考えるようになりました。私自身の不登校経験から言えば、学校を休むということは、そのままラクになるということにはつながりませんでした。むしろ学校へ行かない日が増えるごとに、だんだん苦しくなっていったと思います。

【連載】元当事者からの不登校対応マニュアル
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