「ああ、また授業に間に合わない」 昼夜逆転の不登校高校生が眠れない夜に考えていたこと
#不登校#行き渋り
「これ以上どうしろというのだ」。切っても切り離せない不登校と昼夜逆転。高校生で不登校になった古川寛太さんは、つらく、長い夜を過ごしたと言います。「早く寝れば早く起きられるなんて、そんな単純な問題じゃない」。古川さんが、一見すると正しそうな一般論をはねのける理由とは。(連載「前略、トンネルの底から」第13回・写真は古川寛太さん)
古川寛太(ふるかわ・かんた)
2000年生まれ。高校3年間不登校を経験した。不登校を経由した人間の現在地に興味がありnoteにて「あれこれありましたが、」を主宰している。
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夜がつらい。
つらく、長い。毎日そんな夜を過ごしていた。
自分の部屋とは呼べないような、ただ布団と読みかけのマンガが散らばっているだけの一室で再び目を覚ます。いやもうひとつ、壁際に行き場のなくなったアップライトピアノも置かれていた。家の奥の方、8畳ほどのスペースに俺は住んでいた。
不登校になる前は別の大きな部屋を広く使い、弟と枕を向かい合わせにして寝ていた。仲も悪くなかったし、別にそのままでも構わなかったのだが、朝起きず学校にも行かなくなって以降、さすがにバツが悪くなり、隣の部屋に逃げ出したのだ。一応、人生で初めてのひとり部屋だったわけだが、装飾するような趣味も気力もなかったので、本当に布団しか持ち込めていない。日の光があまり入ってこない場所だった。
後ろ倒しで進んでいく時間
二度寝して起きたら10時だったのは昨日寝た時間が遅かったせいで、
【連載】前略、トンネルの底から
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