同級生の“リア充SNS”がつらい高校生に親ができること
高校生で不登校のお子さんが、SNSを見たあとに急に落ち込んだり、不機嫌になったりする。
そんな様子に、「SNSを見ないほうがいいのでは」「スマホを制限したほうがいいのでは」と悩む親御さんは少なくありません。
不登校進行期の高校生にとって、スマホの画面越しに流れてくる同級生たちのキラキラした日常、いわゆる“リア充SNS”は、「自分だけが取り残されている」という感覚につながりやすいものです。
文化祭、放課後、恋愛、アルバイト、進路選択、友達との日常の写真――。
SNSには、“普通の高校生活”が次々と流れてきます。
学校から距離を取っているお子さんにとって、普通の高校生活は、単なる情報ではなく、「学校に行っていない自分と比べる材料」になりやすいものです。
今回は、同級生のSNSがつらくなっている高校生に対して、親ができる関わり方を考えます。
【不登校進行期とは】
不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。進行期とは、不登校が始まり、心理的な落ち込みが激しくなり、やがてその状態が固定化されるまでの期間のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校進行期の記事一覧はこちら
【サポート団体を利用しましょう】
不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。
比較が苦しさを強めやすい
なぜ、同級生の投稿がこれほどまでに子どもを追い詰めるのでしょうか。
まずは、SNSで苦しくなりやすい背景を理解しておくことが大切です。
「同級生と比べて自分は」のつらさ
不登校進行期の子どもは、心のエネルギーが大きく落ち込み、自己肯定感も下がりやすい状態にあります。
SNSで、同級生たちが楽しそうに文化祭準備をしている姿や、放課後に友達と遊んでいる姿を見ると、「それに比べて自分は」という感覚が強まりやすくなります。
- 自分だけ止まっている
- みんなは前に進んでいる
- 自分には価値がない
SNSは、他人と自分の状況の違いが、現実以上に強く見えやすい場です。
子どもにとっては、「同じ学校・学年の人が、自分と大きく違う人生を歩いているように見える」ことが苦しさにつながるのです。
だからこそ、SNSで傷ついている状態を、「気にしすぎ」「考えすぎ」と片付けないことが大切です。
SNSをすぐ禁止しなくてもいい
子どもがSNSで落ち込んでいる様子を見ると、親としては「一旦やめたら?」と言いたくなるでしょう。
しかし、急に取り上げたり、強く制限したりすると、かえって孤立感が強まることもあります。
今の高校生にとってSNSは、社会とのつながりでもあるからです。
つらいと言いながらSNSを見続けるのは、「みんなから完全に切り離されたくない」という気持ちの表れでもあります。
そしてそもそも、他人のキラキラしたSNSを見て羨ましくなるのは不登校じゃなくても当たり前に起きることです。
ですので、お子さんの気持ち自体を悲観することはありません。
そのため、大切なのは、SNSをやめさせるかどうかではなく、SNSを見たあとにどんな状態になるかを観察することです。
お子さんが次のような状態に当てはまるなら、今は刺激が強すぎる状態かもしれません。
- 見たあとに強く落ち込む
- イライラして家族に当たる
- 自分を否定する発言が増える
- 眠れなくなる
こんなときは、「見ないほうがいいんじゃない?」ではなく、「見ると疲れることもあるよね」と感覚を言葉にすることで、子どもは少し話しやすくなることがあります。
SNSとの付き合い方の工夫
SNSとの付き合い方には、「完全にやめる」以外にも選択肢があります。
親が一方的に管理するのではなく、「どうすると少し楽になるか」を一緒に探していく視点が大切です。
例えば次のように、“刺激を減らす工夫”は意外とあります。
- 通知をオフにする
- しんどくなるアカウントをミュートする
- 同級生以外の趣味系アカウントを作成する(※)
※現在のSNSは、自分のフォローや高評価に関連するコンテンツが表示されます。ライフハックとして、例えば「動物系のコンテンツのみを高評価するアカウント」を作成すれば、動物系のコンテンツばかりが流れてくるようになります。
こうした方法自体は、子ども自身も知ってはいます。ただ、「本当にミュートにしていいんだろうか。逃げているんじゃないだろうか」と迷って、実施できないこともあります。
親から「こういう方法を使う手もあるよ」と伝えることで、子どもは安心して実施できます。
また、子どもが「みんなに置いていかれたくないから見ている」と話す場合、その気持ちを否定しないことも大切です。
それは、「学校や友達とのつながりを完全には失いたくない」という気持ちの表れでもあるからです。
SNSは今の高校生にとって、現実の人間関係そのものになっていることも少なくありません。
だからこそ、親がSNSを単純に「悪いもの」と決めつけたり、「やめさせなければ」と急いだりするのではなく、「どうすれば傷つきすぎずに使えるか」を一緒に考えていくことが、お子さんの安心につながっていくはずです。
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