不登校の子が修学旅行や部活の話で不機嫌に…親の寄り添い方
不登校の状況にある中学校3年生のお子さんが、修学旅行や部活の話題になると不機嫌になる…。
親としては、「そんなに嫌なら話さない方がいいのかな」「でも予定を立てるためにも、全く話さないのもよくないのでは」と悩むこともあるでしょう。
今回は、修学旅行や部活の話題に強く反応するときの受け止め方と寄り添い方を紹介します。
【不登校進行期とは】
不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。進行期とは、不登校が始まり、心理的な落ち込みが激しくなり、やがてその状態が固定化されるまでの期間のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校進行期の記事一覧はこちら
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目次
子どもが不機嫌になる理由
中学3年生という時期は、修学旅行や部活の集大成など、学校生活の大きなイベントが重なる時期です。
不登校のお子さんがこれらの話題に強く反応する背景には、さまざまな葛藤があります。
置いていかれるという焦りや孤独感
修学旅行や部活の最後の大会は、中学生活の中でも特別な行事です。
だからこそ、他の学校行事よりも「参加できない」や「みんなと違う」ということを強く意識させられる話題になりやすいものです。
お子さんは、「参加しなくていい」「参加できない」「参加するのは苦しい」と思いながらも、「でも、参加したい気持ちもある」と思っていることがよくあります。
いろいろな気持ちを抱えつつ、「実際には参加できなさそう」と思うからこそ、お子さんは、「自分だけが特別な思い出を作れない」「みんなから置いていかれる」という焦燥感や孤独感といった苦しい感情を抱きます。
以上のように、不機嫌な反応は、話題そのものへの拒否ではなく、苦しい感情から自分を守る反応である場合があります。
期待に応えられない申し訳なさ
親が何気なく「修学旅行どうする?」と聞いただけでも、お子さんは「親は行ってほしいと思っているのに、自分は行けない」と感じることがあります。
また、「期待に応えられない自分はダメだ」という罪悪感につながることもあります。
そのため、不機嫌な態度は反発ではなく、申し訳なさや苦しさの表れである場合もあります。
無理に気持ちを聞き出さなくていい
不機嫌になると、「何が嫌なの?」「修学旅行に行きたいの?」「部活が心残りなの?」と理由を知りたくなるかもしれません。
しかし、お子さん自身も気持ちを整理できていないことは少なくありません。
また、整理できていたとしても、今は言葉にしたくないこともあります。
そのため、無理に本音を聞き出そうとすると、かえって心を閉ざすことがあります。
「今は話したくなさそうだね」
「嫌な気持ちになる話題だったかな」
程度の受け止めに留める方がよい場合もあります。
理由を解明することよりも、「話したくない状態を尊重してもらえた」という経験の方が大切なこともあるのです。
不機嫌な子どもへの寄り添い方
不機嫌な反応が続くと、親もどう接してよいか分からなくなります。
ここでは、お子さんの傷つきやすい気持ちを守りながら、家庭を安心できる場所にするための関わり方を紹介します。
学校行事の話題をいったん減らす
一度反応が悪かったからといって、今後一切その話題を出してはいけないわけではありません。
ただし、「現実と向き合わせるために」などという思いから繰り返し話すことは避けた方がよいでしょう。
修学旅行や部活の話題が強い負担になっている時期は、親の方から積極的に話題を出さないようにすることも有効です。
プリントの提出期限などで確認が必要な場合は、「修学旅行は行かない方向で先生に伝えて大丈夫?」のように、短く事実だけ確認し、深追いしないことをおすすめします。
比較につながる言葉を減らす
「みんなは修学旅行に行くよ」
「同級生は、最後の大会の準備をしているよ」
といった言葉は、親に悪気がなくても比較として受け取られやすいものです。
多くの場合、お子さん自身が、すでに周囲との差を十分に感じています。
情報を伝える必要がない場面では、あえて話題にしない選択も有効です。
不機嫌を直そうとしない
子どもが不機嫌になったときは、「そんな態度を取らないの」と正そうとするよりも、「今はその話がつらいんだね」と受け止めることが大切です。
不機嫌な態度を見ると、「このままではまずい」と感じるかもしれません。
しかし、嫌な話題に触れたときに感情が動くこと自体は自然な反応です。
また、感情を出せるのは、家庭を安全な場所だと感じているからという面もあります。
無理に機嫌を直そうとせず、必要であれば少し距離を取りながら、感情が落ち着くのを待つことも大切です。
「行きたい、でも行けない」という気持ちに共感する
もしお子さんが、「みんなはいいな」「本当は行きたかった」と本音を漏らしたときは、すぐに励ましや解決策を提示しなくても構いません。
「今からでも間に合うか先生に聞いてみようか」
「頑張れば行けるかもしれないよ」
と言いたくなる気持ちは自然ですが、まずは気持ちを受け止めることを優先してみてください。
「そうだよね」「複雑な気持ちになるよね」などと、その悲しさや悔しさに共感することで、お子さんは「分かってもらえた」と感じやすくなります。
参加の可能性に備えて親だけで相談しておく
ここまでは、修学旅行や部活の話題が負担になっている場合を中心にお伝えしました。
ただ、お子さんの気持ちは揺れ動くものです。思いが「毎日の登校は無理だけど、修学旅行には参加する」「クラスには行けないけど、部活には行きたい」という方向に傾いていくこともあります。
そうなったときのために、学校や不登校のサポート団体に親だけで相談して、対応を考えておくという方法も考えられます。
不機嫌の背景にある苦しさを理解する
修学旅行や部活の話題への不機嫌な反応を見ると、親は「何とかして前向きにしてあげたい」と思うかもしれません。
無理に励ましたり、「高校で取り返せるよ」と急いで前向きな話につなげたりするよりも、「今はつらい話題なんだな」と受け止めることが大切です。
お子さんが不機嫌になるのは、わがままだからでも、親を困らせたいからでもありません。
その話題に触れることで苦しい気持ちが動いているのです。
まずはそのことを理解し、話せる日が来ることを急がず待つ姿勢が、お子さんにとって安心につながることも少なくありません。
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