不登校の高校生の「アルバイトしたい」への親の対応

#不登校#行き渋り

高校で不登校だったお子さんが、少しずつ外に目が向き始めた頃、ある日ふと、「アルバイトしてみたい」と言い出すことがあります。

親としてはうれしい気持ちになる一方で、不安も浮かぶでしょう。

「学校に行けていないのに大丈夫?」
「アルバイトじゃなくて、登校をしてほしい…」
「学校と同じように、途中で行けなくなるのでは?」

そんな気持ちは自然なものです。

大切なのは、「アルバイトをするべきか」を急いで決めることではありません。

まずは、お子さんがなぜアルバイトに興味を持ったのか、そしてその言葉の背景にどのような気持ちがあるのかを見ていくことが大切です。

【不登校回復期とは】
不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。回復期とは、「不登校状態ではあるものの、心理的状態が改善され、心的エネルギーが溜まりだし、一人での外出が自由になってくる期間」のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校回復期の記事一覧はこちら

【サポート団体を利用しましょう】
不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。

編集

不登校オンライン編集部

心のエネルギーが溜まってきたサイン

不登校の高校生の「アルバイトをしてみたい」は、お子さんの心のエネルギーが溜まり、関心が家の外へ向き始めているサインと言えるでしょう。

「何か新しいことに挑戦したい」「社会とつながりたい」「自分にできることを増やしたい」といった気持ちの芽生えです。

まずはその前向きな気持ちを、「そうなんだ」「やってみたいんだね」と受け止めるところから始めてみましょう。

前提1.登校再開をしてほしい気持ちは自然なこと

「アルバイトはしてもいいけど、登校再開もしてほしい」
「アルバイトではなく、勉強をしてほしい」
という気持ちは、親としては当然のことかもしれません。

ただ、その気持ちを子どもにストレートに伝えると、せっかく出てきた気力が失われることもあります。

学校・勉強・進路などについての話は、親だけで抱え込まず、学校や不登校のサポート団体と一緒に考えることで、親自身も気持ちを整理しやすくなります。

前提2.アルバイトだけが選択肢ではない

お子さんの「何かやってみたい」の内容は、アルバイトでなければ実現できないとは限りません。

お子さんの興味や関心次第では、アルバイト以外の選択肢でそれを叶えることもできます。

あくまで例ですが、社会との接点がほしいのであれば、習い事やボランティアなども選択肢になります。

ですので、親としては、「アルバイト以外に、子どもの関心をかなえる選択肢はあるか」を探してもよいでしょう。

すぐに賛成も反対もしなくていい

親としては、「前向きな変化だから応援したい」と感じることもあれば、「まだ早いのでは」と心配になることもあるでしょう。

どちらの気持ちも自然です。

ただ、この段階では結論を急がなくても大丈夫です。まずは、お子さんがどのような働き方を想像しているのか、一緒に整理していくことが大切です。

「どんな仕事を想像しているの?」と聞いてみる

面接を受けることや働くことよりも、まずは本人のイメージを聞いてみましょう。

「飲食店がいい」「本屋がいい」「接客は少し不安かも」などの話をする中で、本人自身も考えを整理できます。

親が正解を示そうとするよりも、本人が自分の希望を言葉にする機会をつくることが大切です。

具体的な負担も一緒に考える

アルバイトには、人間関係、時間管理、体力、責任などさまざまな要素があります。

「週に何日くらい働きたいの?」「何時間くらいを考えているの?」といった具体的な話をすることで、現実的なイメージを持ちやすくなります。

これは反対するためではなく、準備をするための話し合いです。

親が事前に知っておきたい、安心のための具体策

お子さんの意思を応援したい反面、体調面や人間関係のストレス、学校との関係など、親としての心配事は尽きないものです。

ここでは、親子で安心して一歩を踏み出すための具体的なポイントを紹介します。

校則やアルバイトのルールを確認する

現在籍を置いている高校のルールも確認しましょう。

進学校や伝統校などではアルバイトが原則禁止だったり、許可制になっていたりすることがあります。

無断で始めて後からトラブルになると、お子さんの自己肯定感が下がることもあります。

「学校の決まりはどうなっているかな。一緒に確認してみようか」と声をかけ、生徒手帳を見たり、必要に応じて学校へ相談したりするのもよいでしょう。

体力やメンタルに合った条件を整理する

不登校の回復期であっても、体調や気持ちの波が残っていることは珍しくありません。

最初から週4〜5日勤務や長時間労働を目指す必要はありません。

例えば、週1〜2日、1日3〜4時間程度から始める、マニュアルが整っている仕事を選ぶ、比較的自分のペースで進められる業務を検討するなど、負担を抑えた選択肢もあります。

「まずはこれくらいから試してみる?」と、スモールステップで考えると挑戦しやすくなります。

長く続けることを最初から目標にしない

アルバイトの話になると、親はつい「続けられるだろうか」と考えがちです。

しかし、最初から長期間続けることを目標にする必要はありません。

「試してみる」という考え方もある

実際にやってみることで分かることはたくさんあります。

「思ったより楽しかった」「人と話すのは疲れる」「週3日は多かった」など、やってみなければ分からない発見があります。

アルバイトを通じて、自分に合うことや負担になりやすいことを知ることも大切な経験です。

辞める可能性も想定しておく

アルバイトが合わずに退職することになったとしても、それは失敗とは限りません。

「何ができて、何が負担なのか」を知る機会になるからです。

最初から「合わなかったら辞めてもいい」と共有しておくことで、本人も過度なプレッシャーを感じずに挑戦しやすくなります。

最後に

お子さんの「アルバイトしてみたい」という言葉を聞くと、親としては将来のことを考えたり、学校との関係を心配したりするかもしれません。

しかし、まず大切なのは、その言葉の背景にある「何かをやってみたい」という気持ちを見ることです。

働くことそのものよりも、その気持ちが生まれたことに目を向けてみてください。

そうした視点は、お子さんの小さな変化や前進を見逃さず、親子で次の一歩を考える助けになるでしょう。

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