不登校できょうだい関係がギクシャク…親が気をつけたいこと
小学校高学年のお子さんが学校を休み始めると、家庭内のバランスが変わり、兄弟姉妹との関係がギクシャクすることがあります。
これは珍しいことではありません。背景を整理しながら、家庭内の負担を少し和らげる関わり方を考えていきましょう。
【不登校進行期とは】
不登校は、前兆期→進行期→混乱期→回復期という経過を辿ることがよくあります。進行期とは、不登校が始まり、心理的な落ち込みが激しくなり、やがてその状態が固定化されるまでの期間のことです。この記事は、主にこの時期のお子さんがいる保護者さんのための内容です。もちろん、それ以外の時期の方にもお役立ていただけます。不登校進行期の記事一覧はこちら
【サポート団体を利用しましょう】
不登校のお子さんのことを、保護者だけで対応する必要はありません。不登校のサポート団体を適切に利用することで、お子さんも保護者さまも、「次の一歩」に進みやすくなります。サポート団体の探し方は、こちらの記事をご覧ください。
目次
不登校ときょうだい関係の摩擦
きょうだい関係のギクシャクには、それぞれなりのしんどさや戸惑いがあります。表面のけんかだけでなく、その背景にある気持ちを見ることが大切です。
学校へ行く不公平感と嫉妬
学校に通っている側のきょうだいからすると、「なぜ自分だけが頑張って学校に行かなければいけないのか」という不公平感を抱きがちです。
一方で、休んでいる本人は、元気に登校していくきょうだいの姿を見て、「自分はなんで行けないんだろう」という焦りや、「自分は行けないのに、学校の話を楽しそうにするなんて」といううらやましさや怒りを感じることがあります。
どちらも、それぞれが自分の立場で苦しさを抱えていて、その気持ちが衝突として表れることがあります。
親の関心が偏ることへの不安
不登校が始まった直後は、どうしても親の意識が休んでいる子に向きがちです。他方のきょうだいは、「自分は後回しにされている」と寂しさを感じることがあります。
そのストレスは、不登校の子への攻撃的な態度として出ることもあれば、逆に親への過度な甘えとして表れることもあります。
家庭内のルール変更への戸惑い
学校を休んでいるお子さんには、朝ゆっくりしてよい、ゲーム時間を厳しく見ない、といった対応をすることもあるでしょう。
それ自体が悪いわけではありませんが、きょうだいから見ると、「なぜあの子だけ特別なの?」と映ることがあります。
ギクシャクに親ができること
きょうだいげんかをなくすことよりも、誰か一人だけが我慢し続ける状態にしないことが大切です。日常の関わり方でできる工夫を見ていきましょう。
登校している子との1対1の時間
学校に行っている子のケアを意識的に行いましょう。
1日に10分でも構いません。買い物に一緒に行く、お風呂で少し話す、寝る前に「今日はどうだった?」と聞くなど、その子だけに意識を向ける時間をつくります。
実際に親の時間が偏ることはあっても、「あなたのこともちゃんと見ているよ」と伝わるだけで、不公平感は和らぎやすくなります。
家のルールの個別対応
家庭のルールをきょうだい一律にする必要はありません。
例えば、学校に行っている子から、「お兄ちゃんは勉強せずにゲームするのがOKになってるから、自分も宿題をやらない」といった主張が出ることもあります。
「お兄ちゃんは今は休養が必要だから過ごし方が違うんだよ」と、それぞれの状態に合わせた個別対応であることを、年齢に応じて説明することが助けになります。
ジャッジをくだしすぎない
きょうだいげんかが起きたとき、「どっちが悪いか」を親が判定しすぎると、関係がこじれやすくなります。
特に、不登校のお子さんを庇いすぎると、もう一方のきょうだいは孤立しがちです。
まずは「何々が嫌だったんだね」と、それぞれの言い分を個別に聴き、感情を受け止めることを意識してみてください。
きょうだいそれぞれに無理をさせすぎない
学校に行っている子・行っていない子の一方に「正しくふるまうこと」を求めすぎると、負担が大きくなりやすいものです。
「あなたも我慢して」は負担増
学校に行っている子に、「今は大変だから協力して」「あなたはお兄ちゃんなんだから」と理解を求めたくなることもあるでしょう。
ただ、それが続くと、学校に行っている子には「自分のしんどさは後回しでいいんだ」というメッセージになりやすくなります。
配慮をお願いする場面があっても、その子の不満や疲れも受け止めることが大切です。
家庭で安心して過ごせるように
一方で、休んでいるお子さんに「きょうだいに優しくして」「けんかしないで」「ちゃんと譲ってあげて」と求めすぎるのも負担になることがあります。
余裕が少ない時期には、自分のしんどさを抱えるだけで精いっぱいで、きょうだいの気持ちまで気を配ることが難しいこともあります。
また、きょうだいが学校の話をしたり、元気に過ごしていたりすること自体が、本人にはつらく感じられることもあります。そんな中で「仲よくして」「優しくして」と求められると、さらに苦しくなることもあるでしょう。
きょうだいとの関係をすぐ整えようとするよりも、まずは親との関係の中で「学校を休んでもいい」「家の中では安心して過ごせる」と感じられることのほうが、結果的にきょうだい関係の落ち着きにつながりやすくなります。
親だけで抱え込まないで
きょうだい関係が一時的にぎくしゃくすること自体は、不登校が関係しなくても珍しいことではありません。
きょうだいへの公平さは、一般論としては大切なことです。ただ、一律のルールが公平とは限りません。
不登校が関係する場合は、「それぞれの状況に応じた対応が必要なこと」を子どもに説明しながら、「それぞれの言い分をしっかり聴くこと」を意識してみてください。
また、子どもへの対応は、親だけで抱え込む必要はありません。不登校のサポート団体などに積極的に相談することで、学校に行っている子、行っていない子それぞれへの具体的な接し方も見えてくるはずです。
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